勤務校の生徒(高校生)には、「自分はできない」と思いこんでいるケースがある。かなり多いと言える。
生徒たちに「自分ができると思えばたいていのことはできるのだ」ということを知ってほしかった。
障害を持つレーナ・マリアさんの成長する姿を淡々とスライドで提示するだけだが、教室の雰囲気がみごとに変わる。
※追試に当たって資料を希望される方はご連絡をください。→問い合わせ
指示1.よく見て。
気づいたことを発表します。
列指名。どんな答えもうなずき、肯定する。
説明−<スライド3=両手のない赤ちゃん>
この子は、スウェーデン人のレーナ・マリアと言います。彼女が生まれたとき、お産はとても大変でした。何時間もかかる難産でした。
お医者さんはなかなか赤ちゃんに会わせてくれません。何日もたってから、ようやくこう言いました。
「いいですか、お父さん、お母さん、よく聞いてください。実は、生まれた赤ちゃんは普通の体ではないのです。両腕がありません。片足も、長さが半分しかありません。」
「どうでしょうか、体の不自由な人の入る病院に入れましょうか。」
お医者さんの言葉に、お父さんは首を横に振りました。「この子に必要なのは家族です。この子を家に連れて帰ります。」
発問1.みんなにできて、彼女にできないことは何ですか。
ノートに書きます。発表してください。(列指名)
たくさんできないことがありそうです。
発問2.皆さんができないと思ったことは本当にできないのですか。
手を挙げてもらいます。
できない。できる。
説明−<スライド4=水を飲む>
両腕がないと、水を飲むのでさえ、大変苦労してしまいます。
レストランで、コップを倒して苦労しているマリアさんを見守っているとき、居合わせた人から「なんて冷たい親なんだ!」と怒鳴られたこともありました。
説明−<スライド5=水泳教室>
両親はマリアさんの体を鍛えるため、水泳を習わせることにしました。
水泳教室の初日に、先生がレーナさんを紹介しました。
みんなはひそひそと話をはじめました。「あの子、両腕がないわ。」「水泳なんてできるのかしら。」「なんだか気持ち悪いわ。」「嫌だあ、あんな人といっしょにプールに入るなんて気持ち悪いわ。」
中には直接悪口を言う子もいました。
「あなたって変な体ね。」「そんな体でよく水泳教室に来たわね。」
レーナさんはこう反応したそうです。
「みんなが私のことを見て、何だか有名人になったみたい。水泳って、とっても楽しいわ。」
説明−<スライド6〜14=成長>
お絵かき
ミシン
オルガン弾き
編み物
料理
お箸を使った食事
お化粧
車の運転
写真撮影
ゆっくりとしたテンポでスライドを紹介していく。余計な説明はない方がよい。
説明−<スライド15=歌手>
現在彼女は歌手として、世界中でコンサート活動を行っています。日本にも何度も来ています。
レーナ・マリアさんはたくさんのことができるようになりました。
発問3. 皆さんができないと思ったことは本当にできないのですか。
作文用紙を配布し、感想を書かせる
参考文献
参考サイト