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レーナ・マリアに生き方を学ぶ

 勤務校の生徒(高校生)には、「自分はできない」と思いこんでいるケースがある。かなり多いと言える。
 生徒たちに「自分ができると思えばたいていのことはできるのだ」ということを知ってほしかった。
 障害を持つレーナ・マリアさんの成長する姿を淡々とスライドで提示するだけだが、教室の雰囲気がみごとに変わる。

佐々木基
TOSS石狩教育サークル
開設2010/8/5

※追試に当たって資料を希望される方はご連絡をください。→問い合わせ

指示1.よく見て。
     気づいたことを発表します。

列指名。どんな答えもうなずき、肯定する。

説明−<スライド3=両手のない赤ちゃん>
 この子は、スウェーデン人のレーナ・マリアと言います。彼女が生まれたとき、お産はとても大変でした。何時間もかかる難産でした。
 お医者さんはなかなか赤ちゃんに会わせてくれません。何日もたってから、ようやくこう言いました。
「いいですか、お父さん、お母さん、よく聞いてください。実は、生まれた赤ちゃんは普通の体ではないのです。両腕がありません。片足も、長さが半分しかありません。」
「どうでしょうか、体の不自由な人の入る病院に入れましょうか。」
 お医者さんの言葉に、お父さんは首を横に振りました。「この子に必要なのは家族です。この子を家に連れて帰ります。」

発問1.みんなにできて、彼女にできないことは何ですか。
     ノートに書きます。発表してください。(列指名)

たくさんできないことがありそうです。

発問2.皆さんができないと思ったことは本当にできないのですか。
     手を挙げてもらいます。

できない。できる。

説明−<スライド4=水を飲む>
 両腕がないと、水を飲むのでさえ、大変苦労してしまいます。
 レストランで、コップを倒して苦労しているマリアさんを見守っているとき、居合わせた人から「なんて冷たい親なんだ!」と怒鳴られたこともありました。

説明−<スライド5=水泳教室>
 両親はマリアさんの体を鍛えるため、水泳を習わせることにしました。
 水泳教室の初日に、先生がレーナさんを紹介しました。
 みんなはひそひそと話をはじめました。「あの子、両腕がないわ。」「水泳なんてできるのかしら。」「なんだか気持ち悪いわ。」「嫌だあ、あんな人といっしょにプールに入るなんて気持ち悪いわ。」

 中には直接悪口を言う子もいました。

「あなたって変な体ね。」「そんな体でよく水泳教室に来たわね。」
 レーナさんはこう反応したそうです。
「みんなが私のことを見て、何だか有名人になったみたい。水泳って、とっても楽しいわ。」

説明−<スライド6〜14=成長>
 お絵かき
 ミシン
 オルガン弾き
 編み物
 料理
 お箸を使った食事
 お化粧
 車の運転
 写真撮影

 ゆっくりとしたテンポでスライドを紹介していく。余計な説明はない方がよい。

説明−<スライド15=歌手>
 現在彼女は歌手として、世界中でコンサート活動を行っています。日本にも何度も来ています。
 レーナ・マリアさんはたくさんのことができるようになりました。

発問3. 皆さんができないと思ったことは本当にできないのですか。

作文用紙を配布し、感想を書かせる

参考文献

  1. レーナ・マリア著   「レーナ・マリア物語」  金の星社
  2. レーナ・マリア著   「レーナ・マリア フット・ノート」  小学館
  3. レーナ・マリア著   「レーナ・マリア ハッピーデイズ」  小学館
  4. レーナ・マリア・ヨハンソン著   「マイライフ」  命のことば社

参考サイト

  1. 芦田まゆみ   レーナマリアさん生き方に学ぶ  TOSSランド3106963
  2. 佐藤由紀   レーナ・マリアの生き方に学ぶ  TOSSランド8957085
  3. 西田裕之   レーナ・マリアさんの生き方に感動する  TOSSランド2210184
  4. 北那須教育サークル   菊地 はす江「レーナ・マリアさんの生き方に学ぶ」