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光の回折

佐々木基
TOSS北極星法則化高校・専門学校ネットサークル
作成日:2002年2月25日(月)

デジタルカメラで映像を共有して理解と定着を目指した模擬授業である。

準備するもの:デジタルカメラ(ビデオカメラ)、テレビ、接続ケーブル、ローソク、アイピース(フィルムケースと特殊シートで自作)、鉛筆、三脚

画面にローソクの光が映った状態で授業をはじめる。

説明1.特殊なフィルムをセットしたアイピースがあります。これでローソクの光を観察してみましょう。

「おっ。あー、きれいだなぁ。何回見てもいいなぁ。」生徒の期待を高めるように言う。

発問1.見たい人?

「見たい人?」と言いながら教師が挙手をして生徒に挙手を促す。挙手の人数をざっと確認し、「全員ですね。」手を挙げない生徒がいた場合、例えば、次のように詰める。「手を挙げていない人がいますね。見たくないのかな。もう一度聞きます。見たい人?」

指示1.では、画面を見て下さい。

アイピースをカメラのレンズに当て、画面に像を写す。アイピースを少し回転させる。間を取る(約5秒)。通常、「オー!」と歓声が上がる。
(見たい人はクリック→画像

発問2.このように見えるしくみが知りたい人?

一目見て「おお、全員だな。それでは。」と言って以下に進む。

説明2.しくみの元になる原理的な実験をします。鉛筆2本で細い隙間を作り、このようにしてローソクの光を観察します。(演示する。)

鉛筆2本をくっつけ目に当て、ローソクを観察して見せる。

模擬授業では、ほとんどの参加者がすぐに教師のマネをした。すぐ「手を置いて、画面を見なさい。」と指示する。教室授業では、十分な時間を確保し、好奇心を満足させてから、「手を置きなさい。」と指示するとよい。

指示3.テレビをご覧なさい。
説明3.鉛筆の隙間の向こうにローソクの炎が見えます。

鉛筆の間隔を広くして、カメラの前に置く。ローソクの像を画面に映す。回折していない映像を見せないためである。

説明4.ローソクの炎がここにあり、鉛筆があり、目玉がある。炎が見えるということをこの図に表すと、こうなります。

図を説明の通り板書し、目の網膜に炎の像を書く(画像工事中)。「光は真っ直ぐ進むので、像はここに出来ます。」「質問がありますか。」光の直進性について、さりげなく確認しておく。
模擬授業では、板書が不正確であったので、次の作業に支障をきたした。大きな定規を使い、正確に板書する必要がある。

説明5.鉛筆の隙間を狭くします。すると、炎が広がって見えますね。
発問3.炎が広がって見えるということをこの図に表すとどうなりますか。
指示4.プリントに書き込みなさい。時間は30秒です。

説明5.の時、演示実験をする。映像が変化し、「オー」と声が出る。発問3.の時プリントを配布する。

説明6.こうなります。
指示5.あっていた人。

説明6.の時、教師が答えを板書する。指示5.の時、教師が挙手をし、生徒に挙手を促す。人数を確認し「優秀です。」という。

発問4.ローソクの炎から出た光はどこをどのように進んだのですか。
指示6.光の道筋を図に書き込みなさい。定規を使うんですよ。
指示7.出来たら持ってきなさい。

正解1番の生徒に板書を指示する。「黒板に書いて下さい。」「まだの人が多いと思いますが、手をおいて黒板をみて下さい。」残り30秒の時点まで待つ。正解がでなければ、「途中でしょうが、手を置いて下さい。」と言って正解を示す。

説明4.正解はこのようになります。光がこのように細い隙間を通るときに曲がって進むことを回折と言います。

教室授業では、生徒一人一人にアイピースを渡し、たっぷり観察させる。わかったこと、考えたこと、気づいたことをノートに書かせる。

アイピースについては、北海道倶知安高等学校の佐々木淳先生(e-mail:qzi11534@nifty.ne.jp)のHP(http://homepage2.nifty.com/JSBACH/IP/with.htm)を参考にさせていただいた。
(「簡易分光器 with アイピース」http://homepage2.nifty.com/JSBACH/IP/with.htm)