TOSSランド>理科・科学>高校>化学・物質>物質の構造>三態変化

三態変化を理解させる個別指導

【対象】 授業だけでは三態変化の語句を十分に理解できない高校生。
【状況】 説明を聞いた直後の質問には答えられても、確認テストでは正解できない生徒がいる。
現状では、こうした生徒たちに授業だけで定着をはかることができていない。
【主張】 出来ない生徒を残した少人数の個別指導で成果を上げた指導法について紹介する。

佐々木基
TOSS石狩教育サークルTOSS高校・専門学校ネットサークル
開設 2011/8/10 更新 2011/8/20

前提

1.三つの状態を表す言葉と、六つの状態変化を表す言葉を一度学習している。

2.三つの大きなカードがあり、それぞれに状態を表す単語が書いてある。→状態カード

3.六つの矢印カードがあり、それぞれに状態変化を表す単語が書かれている。→変化カード

◆1.三枚の状態カードを並べる

教師が三枚の状態カードを教科書の図とそっくりに並べる。

指示1.教科書の図を見ながら、矢印カードで結びなさい

教師が矢印カードを一枚ずつ手渡し、作業させる。→写真1

出来るたびに次の変化カードを手渡す。

◆2.変化カードを読ませながら置かせる

六枚全部が出来たら、変化カードを全部回収して、再度やり直す。

指示2.教科書の図を見ながら、矢印カードで結びなさい

置くときは、「固体が液体になるのが融解だから」のように、言葉に言いながら作業させる。自分から言い出す生徒もいる。こういう生徒は必ずほめる。

三回程度繰り返す。必要があれば、もう数回繰り返す。ある程度操作に習熟すれば、所要時間は必ず短縮されるはず。作業が速くなったことをとりあげ、ほめる。

対象生徒が複数いるときは、互いに点検させる。点検が雑なときは、「間違いを見つけるんですよ。」と声をかける。点検の真剣味が増す。

四回目くらいから、状態カードの位置を変えて、作業させる。
@三つの位置を回転させる(120°、90°→写真2など)、A二つだけを入れ替える鏡像の位置、も練習させる。

状態カードの置き方を少なくとも三通り取り組ませる。

取り組むスピードが格段に速くなっているはずである。

所要時間の短縮が大幅だと思えたら、確認テストを受けさせる。

◆3.確認テストをする

三態変化の図中の矢印にランダムに番号を振る。

指示3.番号の語句をノートに書きなさい。

この作業学習前には答えられなかった生徒たちだが、作業後には、全員が全問正解できた。

中でも、日頃ほとんど表情に変化のない生徒が、飽きずに楽しそうに取り組んでいたのが印象的であった。