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スキー指導の応用パターン(4)

佐々木基
tossスキー指導研究会
開設2000.5.7/更新2003.08.14

 基本パターン、応用パターン1の変形である。生徒に自信をつけさせるときにきわめて有効である。

 全員が滑り終わり、指導者の前で整列する。次のように指示して、並びの順序を無視して指名した人を滑らせる。

指示1.
今の感じ、よかったですよ。今の感じでもう一度どうぞ(お好きなところまで)(滑って下さい)。

 これは、生徒試技後に「うまい」などと言葉で誉める誉め方と比べ10倍くらいの効き目がある。

 あるいは、せりふが「○○さん、お手本をどうぞ」でもいい。自分は、こう言われたときは嬉しくて舞い上がった。天狗になるほど舞い上がった。

エピソード

 男子中学生2名、大人4名合計6名でレッスンを受けているときのことである。中学生は友人同士。見たところ、上手下手に差があった。上手な方をa君、下手な方をb君とする。

 その時はストックの使い方を練習していた。

 ストックをついた後にグリップの高さが変わらないように、ストックの先を外に向けるように指示を受けた。

 指導員の模範演技の後、順番に練習した。大人が4人滑り、b君が滑ってきた。

 指導員は「素晴らしい。」と言った。その時、自分はどこが素晴らしいのかわからなかった。a君が滑ってきた。指導員はa君には「いいですよ。」と言った。

 全員がそろったところで、指導員はb君の素晴らしい理由を滑りの事実に基づいて短時間で説明した。(残念ながら、再現は出来ない。)

 自分はなるほどと納得した。自分が褒められなかったことが少し悔しかった。

 そして指導員は

「b君、今の感じでどうぞ。」

と言って、列の後ろに並んでいたb君を最初に滑らせた。その後は指導員の合図で並びの順番通りに滑った。最後に指導員が降りてきた。

 練習は荷重操作に移った。a君の滑りには特に変化は認められなかったが、b君は自信に満ちた躍動感あふれる滑りに変わっていった。この日見た限りでは、上手下手がすっかり逆転した。それほどb君の滑りは上達した。