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式当日の指導
入学式の呼名で返事をさせる

佐々木基
TOSS北極星TOSS高校・専門学校ネットサークル
作成:2002/6/17
更新:2002/6/22

向山洋一氏の卒業式・呼びかけの指導を参考にした実践である。語りかける私に生徒の目が注目した。黄金の一日目の手応えを実感できた。

返事の指導

入学式の流れを説明する。

「入学式で名前を呼びます。返事をして、起立をします。」そして、問う。

発問
 返事は誰にしますか。→修正意見1

 列指名で聞いた。「わかりません」という答えが続く。

「加藤麻衣さん、さっき何か言いかけましたね。もう一度言ってもらえますか。」

「親かな。」

説明
 そうですね。先生もそう思います。自分がここにいるということ、これからの高校 生活を頑張るということを返事で表すのです。それを親御さんに聞いてもらうのです。→修正意見2

「では練習します。 加藤麻衣さん。」

「はい。」……。

「加藤さんどうしましたか。」

「えっ」

「さっき先生は何と言いましたか。」

「わかりません。」

「一度で聞きなさい。さっき先生が何と言ったか言える人。はい、藤田君。」

「返事をして。それから、立つ。」

「その通り。よく聞いていました。立派です。ではもう一度。」

「加藤麻衣さん。」「はい。」(起立)、……。

 蚊の鳴くような小さな返事しかできない。予想通りである。そのまま最後まで続け、次のように話す。

説明
 今の返事では親御さんには聞こえませんね。体育館は大きいです。バレーボールのコートが3つの広さです。皆さんはステージの前に座ります。親御さんはその後に座ります。後の親御さんに声を届かせるには、前の壁に声をぶつけて、反射した声を届かさなければなりません。

 話を聞きながらうなずく生徒が何人もいた。中央に座る佐々木裕大君の聞く姿勢が際だってすばらしい。

「それではもう一度練習します。本番は呼び捨てですので、今度は呼び捨てでやります。」

「加藤麻衣。」「はい。」そしてすっと起立する。……。

 鈴木裕一君の返事は元気があり、発音も明瞭だった。呼名の途中であったが僕は思わず言った。「いい返事だ。」

 藤田健一君の返事もいい。張りのあるバリトンだ。再び僕は思わず感想を言った。「いい声だ。」

「今度は皆さん、とても立派でした。本番でも今のように立派にお願いします。」