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スキー指導の基本パターン

佐々木基
TOSSスキー指導研究会
開設2000/5/7、更新2003/3/22

基本パターン

指導員指示→指導員模範演技→生徒試技→評価

 スキースクールのレッスンでは原則的に上記の方法で行われる。詳しく言うと次のようになる。

指導員がこれから行う運動について説明をする。
@趣旨(これから行う練習の目的は何か。)
A目標(練習の結果、どうなってほしいか。)
B技術の要点(練習する上でのコツは何か。)
Cその他、様々なこと
指導員が模範演技をする。
生徒は指導員の話と模範演技を比較・総合し、イメージをつかむ。
指導員は遠く離れた停止地点から1人ずつ試技開始の合図を送る。
1人の生徒が試技を行い、指導員の前で停止する。
指導員はその生徒の試技について評価・助言を行う。
次の生徒に対し、合図を送り、その生徒が試技を行う。以下繰り返し。

 この指導パターンは最も基本となるものである。特に6.が短ければ非常によい指導パターンと言える。

 はじめの言葉による指示がよく理解できない場合でも、見ればわかるからである。言葉に続けて演技でも説明することになるから、試技をする生徒にとってわかりやすい。実際、教師の模範演技を食い入るように観察する生徒は多い。

 このように基本的な方法であるが、練習量を確保するためには、以下に述べるような工夫が必要である。

工夫1.

 安全な距離を確保しつつ、生徒を待たせることなく、次々に試技をさせる。

 次のような方法がある。この方法を生徒に定着させておくことは視界が悪く合図が見えづらい時に非常に有効である。

 スタートの準備をして待つのと、単に順番を待っているのは大きな違いがある。「生徒を待たせることなく」というのは単なる順番待ちをさせないと言うことである。

2〜3ターンしたら次のスタートの合図を送る。
教師自身がスタートする前に生徒のスタート方法を指示しておく。
@「××メートルの間隔で次々にスタートしてください。」と指示する。
A「前の人が××まで滑ったら次の人がスタートして下さい。」と指示する。

など。

工夫2.

 生徒を次々にスタートさせているにもかかわらず、一人一人に詳しく評価・助言を行うと、次々と生徒がやってきて、話を聞くために並ぶ生徒の列ができてしまう。

 これを防止するため、試技後の声かけは一語で終わらせる。そのためには、次の工夫が有効である。

(1)一語で評価できるよう評価の観点を一つに絞っておく。

(2)声かけの相手をいつまでも見ていない。すぐ視線を上に戻し、今滑っている生徒を見る。

(3)欠点が目についても、欠点を直そうとしない。

工夫3.

 生徒にはっきりしたイメージを持たせて試技に取り組ませる。

(1)技術の要点を一つだけ説明し、オーバーアクションで模範演技をする。

(2)「評価の観点」と「技術の要点」を一致させる。