【さらに詳しく知りたい方のために】

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パラレルターンにおける習熟過程の図

習熟過程 項目 運動例
基礎感覚 バランス感覚 片足立ち、片足滑走
スピード感覚 滑る競争
エッジング感覚 階段登行、開脚登行、斜滑降
基礎技能 脚部の曲げ伸ばしを使ったプルークボーゲン
片足荷重によるプルークボーゲン
パラレルスタンスでいろいろな方向へのターン
プルークターン
課題運動 基礎パラレルターン(2回転)
基礎パラレルターン(4回転)
基礎パラレルターンで長い距離を滑る
ストレッチングのパラレルターン(少し急な斜面で)

本実践は上記習熟過程のうち、 「バランス感覚」 「片足荷重によるプルークボーゲン」 に重点をおいて指導を試みたものである。
   「片足荷重によるプルークボーゲン」という基礎技能運動は基礎感覚(バランス感覚)運動にもなっている。さらに、基礎技能運動から課題運動への展開が容易な運動でもある。
バランス感覚が磨かれてくると、この運動の安定感が増してくる。教師も認識できるし、本人も自覚できる。「ほんとにうまくなったなー」と思えたら次のステップである。

練習ポイント

この練習種目(片足荷重によるプルークボーゲン)を実施する上で注意すべきポイントは3つある。
1.
 ハの字のまま直滑降で滑ること。
 プルークファーレンと呼ばれる滑り方である。長い距離をハの字のまま直滑降で滑ることが出来れば、スキーを平行にしても直滑降が出来る。練習初期には、スピード感覚が不足しているので、スキーのハの字を大きく開いて止まろうとする運動が見られる。あるいは、直滑降をほとんどしないで向きを変えてしまう運動が見られる。
2.
 直滑降から水平に移る円弧を描くとき、内側になる足を浮かし、外側の足だけで大きく滑らかにカーブを描くこと。
 内側の足を浮かせられないのは、バランスが悪いのである。思い切って体を傾けることを教える。例えば、斜面に静止しているときに、「山側の足を上げます。何秒持続できるかな」と指示し、片足で立つ練習を何度も繰り返す。
 滑らかなカーブが描けない場合は、真横に滑ることを意識させる。例えば、「ずっと向こうまで行こうと思うんですよ。」と指示する。
3.
 カーブの最後はスキーを真横(水平)にすること。
 スキーを真横にする事によって、加速が抑えられる。落ち着いて次のスキー操作に移れる。スピードを怖がる様子の生徒がいれば、対処の方法を教えなければならない。次のようにする。直滑降から水平になった円弧をさらに延長し、斜面を山側に滑り登るようにする。こうするとスピードは必ず下がり、いずれ停止する。停止直前に次の直滑降に移ればよいのである。

変化のある繰り返し(練習バリエーション)

スキー場の斜面構成によっては、練習に適切な斜度の斜面がないことがある。斜度が小さすぎたり、斜度が大きすぎたりである。
また、同じ練習を繰り返していると集中力が失われる。
こんな場合は、次のバリエーションを取り入れると良い。

1.斜度が小さい斜面を使って。

1.スピード感覚を磨く。

(1)両足で直滑降をする。
(2)片足を浮かせて直滑降をする。
(3)クラウチングで直滑降をする。
(4)二人でスピード競争する。

2.バランス感覚を磨く。

(1)右足だけでターンをする。(左足は完全に浮かす。)
(2)内足で滑る。(左にターンするとき、ターン弧の内側になる左足だけで滑る。)
(3)プロペラジャンプをする。
(4)内足を高くリフトしてターンをする。
(5)リフトした内足のスキーを立っているスキーの上にクロスする。
(6)完全にしゃがんだ状態でターンをする。

2.斜度が大きい斜面を使って。

1.スピード感覚を磨く。

(1)浅い山まわりからUの字を描いて停止する。
(2)深い山まわりからUの字を描いて停止する。
(3)直滑降からUの字を描いて停止する。

2.バランス感覚を磨く。

(1)キックターン
(2)真下に向かった横滑り
(3)斜め前方に向かった横滑り

3.こぶ斜面を使って。

(1)膝のサスペンションを使った斜滑降。
(2)

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