パラレルターンが出来るようになったばかりの児童・生徒にパラレルターンの谷まわりを指導する実践です。
授業の始まりの出席点呼から準備体操までは「プルークボーゲンを2時間でパラレルターンにする指導」、 (1)出席点呼、 (2)準備体操、 と同じである。既に受け持ち生徒の実力は把握しているので、(3)診断は不要になる。
説明1.
前回は直滑降から真横に移るときに、片足で滑る練習をしました。
今日は前回の続きです。真横から直滑降に移るところを練習します。
真横になったとき、山側の足だけで立ち上がり、直滑降に移ります。
(演示後)質問がありますか。
真横に滑っている状態から直滑降に向かっていく部分の滑りを谷まわりという。
山側の足で立ち上がると言ってもイメージが沸かない生徒が多い。そこで
基礎感覚・基礎技能も「プルークボーゲンを2時間でパラレルターンにする指導」と共通である。足慣らしを兼ねて、リフト1本分前時の復習(山まわり)をする。生徒の状態を見て、課題運動にはいる。必要と思えば復習(山まわり)をもう1、2本多く行ってもよい。
指示1
先生の真似をして滑ります。
前の人が2ターンしたら次の人がスタートします。先頭の人だけ、先生が止まってからスタートします。
本時の課題運動は基礎感覚・基礎技能を習熟させる運動にもなっている。前回の授業で、山まわり(後半1/4円)の外足荷重については、リフト10本以上の練習を積んでいる。本時は谷まわり(前半1/4円)の外足荷重の練習である。前時とつなげると、縦1/2円を外足1本で滑ることになる。
スキーが横向きになったとき、重心を谷足から山足に移動し、荷重する足を入れ替える。次の外足で荷重しながら直滑降にゆっくり向かっていく。
指示1だけで課題運動(谷まわり)に取り組んでいると、生徒は飽きてくる。 練習に変化を持たせるため、生徒の実態に合わせ、以下の指示を適宜選択して行う。
練習斜面を変更するのもよい。斜面を変えれば、同じ練習でも気分は変わる。
指示2〜4はいずれも、谷まわりをゆっくり大きく行わせるための指示である。練習のポイントを変えるとき、「みなさん、とてもうまくなりました。さらにうまくなるため、次の練習をします。」と言うとよい。
指示2
山まわりと同じだけの時間をかけて谷まわりをします。1,2と言いながら谷まわりをして、3,4と言いながら山まわりをします。
前の人が2ターンしたら次の人がスタートします。先頭の人だけ、先生が止まってからスタートします。
指示3
ゆっくり立ち上がります。
膝の裏がピンと伸びるように立ち上がります。
最後はつま先立ちになります。
指示4.
お尻を谷足の上から山足の上に移動させます。
重心を移動させたら、山足で「グワン」と立ち上がります。
「グワン」と立ち上がり切ったところで直滑降です。
指示5.
スキーのトップを触りなさい。その時のすねの角度を維持したまま起きあがります。
谷まわりをするとき、すねの角度はこの角度です。
思うように谷まわりがうまくいかないときは緩斜面で次の練習する。このバリエーションは重心の移動がはっきり認識できる。
指示6.
プルークボーゲンで滑ります。谷まわりになるとき、山足で立ち上がります。
全員が谷まわりになれてきたと判断できる場合には次の段階に進む。このバリエーションはターン弧が大きくなりがちである。ゲレンデが混雑している状況では衝突する危険があるので取り組んではいけない。
指示7.
真横から直滑降に移る間、一瞬でいいので、斜滑降の瞬間を作ります。