初めての生徒を受け持った場合、必ず実施する。特に学校スキーの場合、自己申告でグループ分けすることが多い。技術段階のばらつきを把握する上で絶対必要である。
指示3.
皆さんの実力を見せて下さい。カーブを描いて滑ります。どんなカーブでもいいです。先生が下で合図をします。合図があったら来て下さい。では、お願いします。
班のメンバーの実力差を確認する。メンバーの間に極端な実力差があった場合、一斉指導が困難になる。
習熟度の低い児童・生徒をスキー嫌いにしないためにも班の移動が必要である。
逆に習熟度の高い児童・生徒の場合は、本人が希望すれば、班を移動しなくても良い。
速いテンポで次々に合図を送る。例えば生徒が2ターンしたら次の生徒に合図を送るのである。これでもかなりの時間差が出来てしまう。じっくり生徒を観察していると、うっかり合図を出すのが遅れてしまう。
気をつけていないと、生徒は教師の背中側で寝そべったりだらけたりしている。これはテンポがとろいことを生徒が教えてくれているのだ。
1.外足荷重
まるいターン弧を描いて滑るとき、2本のスキーに内側、外側が出来る。外側のスキーにより多く重心をかけることを外足荷重という。このとき、体は上半身と下半身が自然とわずかに「く」の形になる。この姿勢はとてもバランスがとりやすいのである。
かなりスピードを出してかっこよく滑る生徒でも十分な外足荷重の出来ている生徒はいなかった。これからの練習で、劇的な変化が期待できる。授業が楽しみである。
2.垂直荷重
垂直荷重とは、斜面に対して身体を垂直にすることである。
斜面に生えている木は、重力方向に沿って立っている。人間も斜面に立つときは、体軸が重力と同じ方向になる。
しかし、坂道を駆け下りるときは、体軸が斜面に垂直になる。スキーで滑走中も同様で、スキーが真下を向いて直滑降になるときは体軸が斜面に垂直になる方がよい。
やはり出来ている生徒はいなかった。どちらの基準で判定しても大きな実力差のある生徒はいなかった。
今回担当した班には移動該当者はいなかった。
別の日に担当した班では、荷重が出来ず、転んでばかりの生徒が1名いた。2班から5班へ移動させた。
このように、班の移動処置を済ませたあとで、本日の授業の目標と練習内容について説明を行う。
他の班との位置関係で実際の移動が遅れる場合があるのはやむを得ない。